小沼 隆一郎 展
“Cyberspace”

ONUMA Ryuichiro

2002年11月4日(月)〜11月9日(土)
11:00a.m.〜7:00p.m 土曜日5.00p.m.まで 



サイバースペース 2002-U




作家の言葉・内容

「サイバースペース」
コンピューターを起動し、ブラウザアイコンをダブルクリックしただけで、今やサイバースペースが無限に広がる(ように見える)。そして瞬時に情報の大海の中に身躍らせ、デジタル世界の中を自在に走り回ることができる(ように思える)。今やグローバルな世界共通の情報に日々さらされ、むしろ個としての私が直接に世界と結びつけられていると感じることもできる。
しかし、人間として物理的な存在である私は、ここでその限界に突き当たる。有限な一回限りの現実と無限の過剰情報世界とのバランスをどうとるのか?これが現在私に突きつけられた問題である。

サイバースペースとは一体どのような空間か? その空間をいかに表現するか? しかし、そんなことは考えないで、研磨されてざらついたアルミ板の表面をリトクレヨンが滑る。手探りの状態でクレヨンを動かしていると、そこから少しずつ形ができはじめる。
もっと手前に、もっと奥へと念じながら、画面内の空間を広げようと、だんだん大胆に手が動くようになってくる。そして突然、形が画面内でつながり、空間ができる。しかし、そのままの画面を紙に刷ったりはしない。むしろあえて違った空間の版をそれにぶつけてみるのだ。

ここ数年、私はカラーリトグラフという手法で、インターネットの世界であるサイバースペーステーマに、情報ネットワークを視覚化してみようと試みてきた。
今回は、あえて初期作品と新作と対比して、これまでの表現を展示したい。

作品点数 15点程度





1955年 茨城出身
1977

武蔵野美術大学造型学部油絵科卒業

1979 多摩美術大学大学院絵画専攻科(版画コース)修了
1989 「第15回日仏現代美術展」(東京都美術館/上野) 日本テレビ奨励賞受賞
2002 カラーリトグラフ展(ギャラリーセンターポイント/銀座)
現在 日本美術家連盟会員、日本版画協会協会会員、学校法人日本デザイナー学院講師
   
個展  
1981 ルナミ画廊(銀座)
1985 川上画廊(銀座)
1987 「都市の空間的考察」 西武スタジオ錦糸町(錦糸町)
  「ヨーロッパ・リトグラフ紀行」 東武美術画廊(宇都宮)
1988 「パリ・ベルリン・プラハ」 三木ギャラリー(新橋)
1989 「都市空間への旅」 西武アートサロン(藤沢)
  ギルバート・ルーバー画廊(フィラデルフィア・アメリカ)
  「パリについての断章」 三木ギャラリー(新橋)
1990 「ドイツ統一への道」 ギャラリートモス(日本橋)
1991 「パリ・ベルリン・プラハ」 伊勢丹プチギャラリー(浦和)
1994 「東京・現在」 ギャラリートモス(日本橋)
1995 ギルバート・ルーバー画廊(フィラデルフィア・アメリカ)
1996 「ヨーロッパ・リトグラフ紀行」 東武百貨店アートサロン(池袋)
1998 小田急百貨店工芸サロン(町田)
1999 「版画小品展」 ギャラリーセンターポイント(銀座)
  「同時代性/東京-ベルリン」 ムラタ&フレンズ画廊(ベルリン・ドイツ)
2000 「過剰情報都市」 ギャラリー銀座一丁目(銀座)
2002 「サイバースペース」 ギャラリーセンターポイント(銀座)
   
作品収蔵
パリ国立図書館 エコール・デ・ボザール
ドレスデン国立絵画館(版画素描収集室)
ライプツィヒ市立美術館 ライプツィヒ印刷製本大学  他

 



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