浪合村治部坂のミュー自然美術館(羽場睦美理事長)では
6月8日〜7月11日まで、飯田市上郷黒田のアーティスト、 林正彦さんの個展を開催している。林さんが描くのは「壁」。
訪れた人たちは、何かを訴えかけるような、内面に迫る大小 さまざまな作品17点に、ゆっくりと見入っていた。
展示会場のメインホールに足を踏み入れ、まず目に飛び込 んでくるのは、ホール正面
に展示してある「壁」(ミクストメディア)。 195cm×600cmのキャンバスに茶系の色がある所は荒々しく、
ある所は繊細に塗り込められた大作で、見る人を圧倒する。 |
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「静寂」と銘打った作品は、薄暗い洞くつの中に迷い込んだ
イメージにさせるようなゴツゴツしたタッチで静けさを表現。 唯一、水彩
で描かれた作品「四葉」は、黒色の濃淡を微妙な 筆使いで生命の躍動をかんじさせている。また、重厚な
印象を受ける色合いの作品が多い中、白をふんだんに用いた 作品「雪」は、ひときわ目を引いていた。
林さんは1953年、飯田市生まれ。82年イタリアペルージア 美術アカデミー卒業。95年に飯田市民ギャラリーで、97年に
東京銀座ギャラリーで個展を開き、現在も活躍中。
信州日報〈2001・6・13〉より
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